労働審判情報サイト「労働審判の基本」の労働審判の効力

労働審判の結果

労働審判では使用者と労働者間に生じた紛争の解決案として労働審判委員会から調停案が示されます。この調停案に双方が合意し、受け入れれば調停が成立し、労働紛争は解決です。
しかし、使用者と労働者の双方、もしくはいずれかがこの調停案を受け入れなかった場合、審判の終結が宣言され、委員会が妥当と考える内容の労働審判が下されます(労働審判は概ね調停案に沿ったものが多い)。
この労働審判は当事者双方への告知、または労働審判書が送達され、使用者ならびに労働者はこの審判に従うこととなります。

ただし、労働審判の当事者は下された労働審判に対し、審判書の送達または審判を告知された日から2週間以内であれば裁判所に異議を申し立てることができます。納得できない内容の場合は異議を申し立て、民事訴訟として争うことになるのです。

この異議申立期間の2週間中に双方が異議を申し立てなかった場合、労働審判は裁判所の和解と同一の効力を持つこととなります。
裁判所の和解では強制執行が可能であるため、労働審判行おいても審判に従わない場合には強制執行が可能です。強制執行では債務者の財産を強制的に処分し、その換価代金から債務の弁償を受けるというものです。

そのため、労働審判で使用者が労働者に対して「金○○万円支払うこと」という審判がなされ、その内容を知ってから2週間以内に異議申し立てをしなかった場合には必ずこれを支払わねばなりません。もしこの支払いを拒否し、実際に支払いが行われなかった場合には、審判書に基づいて相手の財産を強制的に処分する手続きを取ることが可能となり、強制的に財産を没収されることがあります。

異議申し立てはするべきか?

労働審判に不服がある場合には異議申し立てができることになっています。労働審判の場合、7〜8割が双方が調停案を受け入れる形で終結しますが、残りの2〜3割は労働審判が下り、この労働審判がなされた内の6割程度の事案で異議申し立てが行われています。
異議申し立てを行った場合、労働審判は法的にはその効力を失います。しかし、労働審判書は異議申し立てによって生じる民事訴訟で証拠として提出することができ、裁判でもこの労働審判には重きが置かれる傾向にあります。

そのため労働審判が不服で異議申し立てをしたからといって、事態が好転するとは限らず、かえって自分に不利な判決が出てしまうことも十分に考えられます。異議申し立ての権利は非常に重要なものですが、異議申し立てをする際にはしっかりと検討する必要があります。