労働審判情報サイト「労働審判の基本」の労働審判制度とは

労働審判の流れ

では、「労働審判」とは一体どういったものなのでしょうか。
労働審判は2000年に日本政府が進めた司法制度改革の一環として導入された制度で、2006年(平成18年)4月に運用が開始されました。
労働審判では職業裁判官である「労働裁判官」1名と民間出身(労働団体および経済団体からの推薦によって選出)の「労働裁判員」2名とで組織される「労働審判委員会」が労働者と使用者の間に生じた労働紛争に関する解決案をあっせんして、当該紛争の解決を図る手続きのことを指します。また、この手続きにおいて調停の不成立や労働審判の確定に不服がある場合、さらにこの手続きで問題の解決が難しい事案などにおいて労働審判員会が民事訴訟へ移行した場合でも、一連の流れを労働審判と呼びます。

労働審判は紛争の当事者が地方裁判所に審判を申し立てることで始まります。基本的には労働審判委員会は紛争当事者が話し合い、慰謝料や地位保全など使用者と労働者のお互いが納得できる内容で調停できるように計らいます。
この審判を受諾すれば紛争の解決となりますが、異議を申し立てた場合には民事訴訟に移行し、争うことになります。

労働審判では全体的に高い確率で調停が成立しています。審判にかかる期間は事例によって違いますが、平均70日前後とされており、迅速な問題解決が可能です。
ただし、労働審判の手続き申し立てがあった場合でも、事案が複雑である場合や労働審判で解決するには適当でないと判断された場合には労働審判事件を途中で終了させ、訴訟に移行することがあります。

まずは弁護士に相談

労働紛争の解決法については労働審判以外にも手続きがあり、また事例によっては審判を起こせないこともあります。そのため、労働紛争の解決の際にはまずは弁護士などの法律の専門家に相談してみましょう。
労働審判手続きでは原則として3回以内の期日で審理が終了するので、当事者はこの短い期間で的確な主張や立証を行わなければなりません。これは非常に難しく、弁護士などの助けが必要なことが多いとされています。

そのため労働審判手続きでは当事者でなく「代理人」にこれらの手続きを委任することができます。この代理人は原則として弁護士に限定されており、労働審判を申し立てた当事者の多くが弁護士を代理人としています。