労働審判情報サイト「労働審判の基本」の未払い賃金

未払い賃金の対象

未払い賃金も労働審判にかけられる問題の主なものです。
未払い賃金とは、あらかじめ雇用契約や就業規則で定められた賃金でありながら所定の支払日に支払われなかったものを指します。使用者が賃金を支払うことは労働法によって定められており、未払い賃金は法律違反となります。
未払い賃金の対象となるのは「定期賃金」「退職金」「一時金(賞与)」「休業手当」「割増賃金(残業代など)」「年次有給休暇の賃金」「その他労働法11条に定めるもの」です。

賃金が支払われず、未払いとなってしまった場合には本来支払われるべき日の翌日から遅延している期間に相当する遅延損害金(年利6%)が加算されることとなっています。
また、退職者の場合には賃金のうち、その退職日までに支払われなかった部分には年14.6%の利息がつくこととなっています。遅延損害金と遅延利息は民事上の請求権となっており、労働審判の争点にもなります。

サービス残業と労働審判

労働審判で特に問題となるのが「サービス残業」の賃金です。サービス残とは、残業時間の賃金が発生しない残業(休日出勤や深夜労働を含む)のことです。会社側としては賃金を支払わずに済みますが、実際には違法状態にあります。日本ではこのサービス残業が慣例化している会社も多く、社会的な問題ともなっています。

サービス残業における賃金は会社に請求することが可能です。労働審判ではこのサービス残業の賃金の請求ができ、働いた分の賃金を取り戻すことが可能です。
ただし、残業代の請求は2年以内と定められており、2年以上前の賃金については請求できないので注意しておきましょう。これは退職している場合でも同様に請求でき、会社はそれを支払う義務があります。

しかし、残業代は請求すれば必ず支払われる、というものではありません。労働形態の中には「みなし労働制」というものがあり、この場合残業代が請求できないことがあるからです。
みなし労働制は事業場外労働(外回りなど)が多い場合などに用いられる労働形態で、労働時間に多少幅があっても、1日の労働時間を一定時間にみなすことができるというものです(基本は8時間)。これは事業者側が労働時間を正確に把握することが難しいとされるための取られる措置ですが、深夜労働や休日主筋に関しては賃金が発生します。