労働審判情報サイト「労働審判の基本」の不当解雇

そもそも解雇とは

労働審判の事案として多いのが「不当解雇」に関するものです。しかし、解雇事案の全てがこれに当たるわけではありません。
では、そもそも「解雇」とはどういったものなのでしょうか。

解雇とは、労働契約の終了の一つの形態で、(労働者側の意思に反して)利用者の都合によって労働契約を解除することを言います。
解雇とは別に、定年や私的傷病による「退職」(退職事項は就業規則等で一定の要件に該当する事由として定められている)があり、この退職は労働契約が自動的に終了する場合を指します。したがって退職と解雇は全く別のものとなります。

解雇の自由・解雇の制限・不当解雇

では使用者は労働者を自由に解雇できるのでしょうか。民法627条では、期間の定めのない雇用契約では使用者・労働者共に自由に解雇の申し入れができるようになっています。
労働者の場合は14日前までに申し入れれば法律上は契約解除できます。
使用者は労働基準法により30日前までに解雇予告をするか、予告ない場合には解雇予告手当を支給することによって労働者を解雇することができる、とされています。ただし、労働者に責がある重大な事由がある場合には、労働基準監督署長の認定をもって即刻解雇できます。

また、労働基準法などの公法によって解雇は制限されています。業務上の傷病およびその療養のための休業、産前6週(休業を申請した者)〜産後8週以内にある者は解雇が制限されます。
他にも国籍・信条・社会的身分を理由とする解雇、公民権の行使や公の職務遂行を理由とする解雇、監督機関への申告を理由とする解雇、女性であること、また婚姻・妊娠・出産・育児・介護などに因る休業申請による解雇、労働組合の活動やその結成などに因る解雇など、適当と思われない事由による解雇はできないこととなっています。

さらにこうした制限にかかる解雇に加え、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当とは認められない解雇は、権利を濫用したものとして、無効とする」という解雇県濫用法理(汎例法理)があり、解雇権の濫用とみなされるものについては「不当解雇」となります。つまり、使用者には解雇の自由と権利が与えられているものの、簡単には解雇できないというのが現状です。
労働審判では労働者の解雇がこの不当解雇に当たるか否かが争点となります。